旧大八賀村役場
- よみ
- きゅうおおはちがむらやくば
- 市指定年月日
- 平成15年9月17日
- 所有者
- 蒲屋工業株式会社
- 所在地
- 高山市松之木町19-1番地
- 時代
- 昭和12年(1937)
- 員数
- 1棟及び建物周囲の敷地
解説
昭和初期に建てられた地方役場の姿を伝える典型的な建物である。大八賀村の役場として建てられた当建物は入母屋造り、桟瓦葺、2階建て、間口8間、奥行5.5間の比較的小規模な役場建物である。
旧大八賀村は明治25年、それまで大野郡大名田村であった区域を分村して大名田村、大八賀村、灘村の3カ村が成立したのが始まりである。大八賀村を構成していたのは三福寺、上野、松之木、大洞、漆垣内、山口、塩屋、大島、滝、岩井の計10の大字で、当時の戸数は577戸、人口は3572人であった。
建物は昭和12年、旧役場建物に代わって新築されることになったもので、村長井口新太郎を総監督として現在地に建てられた。設計は稲尾富三、工匠長は大工の沖田政治であった。
2階建ての本館が1棟、宿直室、湯呑所などを含む付属建物1棟、土蔵1棟、便所1棟が新築された。戦後、地方自治体再編への気運の高まりと、国の町村合併促進法の施行に伴い、大八賀村も昭和30年4月1日に高山市に吸収合併され、63年の歴史に幕を閉じた。
合併後は高山市役所の大八賀支所として使用されたが、1年後に閉鎖。その後しばらくは大八賀公民館として使用されていた。宿直室、湯呑所などを含む付属建物、土蔵、便所は現在までに取り壊された。
昭和初期における、高山の建築様式を知る上で貴重な建物であり、役場建物としての建築遺構として重要である。
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