旧陣屋稲荷宮境内地
- よみ
- きゅうじんやいなりぐうけいだいち
- 市指定年月日
- 昭和45年10月1日
- 所有者
- 一本杉白山神社
- 所在地
- 高山市八軒町2丁目20番地
- 時代
- 江戸時代(18世紀)
- 法量など
- 旧境内地の一部、54平方メートル
解説
元禄年中、稲荷明神を陣屋の西南隅に奉斎して、収納米御蔵の守護神とした。南北19メートル(10間半)、東西9メートル(5間)の境内の東北隅と西南隅2個所に鳥居を建て、中央に南面する社殿があった。
毎年初午祭には出入り町人の飾物や赤飯まきでにぎわった。特に文化13年(1816)の初午は、芝郡代のお声がかりでにわか、狂言を催し、陣屋内に郡代、手代衆の飾物をならべるなど、たいへんな騒ぎであった。
大正3年(1914)に社殿を一本杉白山神社境内に移転し、安永6年(1777)8月郡代大原紹正、天明3年(1783)9月同大原正純親子奉納の石灯籠各1対、享和2年(1802)郡代小出照方奉献の石盥1座をも同時に同所へ移した。ただ1つ取り残された根古石は、旧境内地の東南隅に位置する。
ある日、代官の娘が邸内の庭で池の鯉を眺めていた。急に飼猫が娘の着物のすそをくわえて引っ張り、離そうとしない。畜生のくせに娘に執念を燃やしていると見たのか、代官は即座に刀を抜いて切りつけた。猫の首は松の枝に飛んで、娘を一呑みにしようとねらっていた大蛇の首にかみついた。忠義な飼猫の霊を祭ったのが根古石であるという。
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