特別天然記念物「ニホンカモシカ」の保護と対応について
ニホンカモシカの保護と現状
ニホンカモシカ(以下カモシカとします)は日本にしかいない動物で、その学術的価値の高さや個体数の減少から「文化財保護法」により特別天然記念物に指定され、保護が図られています。
現在では、個体数は徐々に回復していますが、その一方でカモシカによる林業や農業への被害、市街地への出没など、人々の生活に影響を及ぼすことも起きています。
カモシカはこんな動物です
カモシカはウシ科の動物です。成獣で体長1から1.5メートル程度、体重は30から40キログラム。オス、メスともに短い角があります。毛色は個体差があり、黒褐色や灰褐色、白灰色などのものがいます。
岩場や急傾斜の斜面がある森に住み、低木の葉や芽、小枝、花、実のほか、笹などの草木を食べています。冬には木の皮をかじることもあります。早朝や夕方にエサを食べた後は、木陰などに座り込んで消化吸収をするために休みます。その間はじっとして動かず、人が来ても逃げないことがあります。カモシカには、ウシと同じように4つの胃があり、反すうを行なっているのです。
成獣にはナワバリがあり、目の下にある分泌腺からでる液体や角を木に擦り付けてマーキングをします。行動範囲が決まっており、同じ場所で同じ個体を見かけることも多いです。
通常は1匹でいますが、4月から6月頃に子どもを産むと1年ほどは母子で行動します。母カモシカは、子を置いてエサを食べに行くことがあります。
カモシカは、基本的には穏やかで人に危害を与えることは滅多にありませんが、おいつめられると向かってくることもあります。
カモシカを見かけたら
生きているカモシカを見かけたら、以下の3点に注意してください。
- 近づかない
パニックを起こしたカモシカが突進したり、角で突かれて怪我をする可能性があります。 - おどろかせない
びっくりしたカモシカが思いもよらない行動をとることがあります。 - 逃げ道をふさがない
カモシカは自分のナワバリに戻る習性があります。山へ帰る道が分かれば自分で帰ります。
特に子どものカモシカが1匹でいる場合、親とはぐれたと思い保護したくなりますが、絶対に連れ帰ったりしないでください。1匹でいるように見えても、母カモシカが付近におり、人を警戒して出てこないことがあります。人の手が触れた子カモシカを自然に返すことは難しいため、明らかに怪我をしている場合などを除き静かに見守るかその場から立ち去ってください。
カモシカの状態 | 周囲の状況 | 対応 |
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元気なカモシカ | 住宅地 |
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畑など農作物がある所 |
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山間部、河川敷など人が少ない所 |
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ダム、ため池、用水路などに落ち動くことができない場合 |
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怪我や病気が疑われるカモシカ |
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死んだカモシカ |
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