特別天然記念物「ニホンカモシカ」の保護と対応について

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ページ番号 T1016947  更新日  令和4年8月24日

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ニホンカモシカの保護と現状

 ニホンカモシカ(以下カモシカとします)は日本にしかいない動物で、その学術的価値の高さや個体数の減少から「文化財保護法」により特別天然記念物に指定され、保護が図られています。
 現在では、個体数は徐々に回復していますが、その一方でカモシカによる林業や農業への被害、市街地への出没など、人々の生活に影響を及ぼすことも起きています。

カモシカはこんな動物です

 カモシカはウシ科の動物です。成獣で体長1から1.5メートル程度、体重は30から40キログラム。オス、メスともに短い角があります。毛色は個体差があり、黒褐色や灰褐色、白灰色などのものがいます。
 岩場や急傾斜の斜面がある森に住み、低木の葉や芽、小枝、花、実のほか、笹などの草木を食べています。冬には木の皮をかじることもあります。早朝や夕方にエサを食べた後は、木陰などに座り込んで消化吸収をするために休みます。その間はじっとして動かず、人が来ても逃げないことがあります。カモシカには、ウシと同じように4つの胃があり、反すうを行なっているのです。
 成獣にはナワバリがあり、目の下にある分泌腺からでる液体や角を木に擦り付けてマーキングをします。行動範囲が決まっており、同じ場所で同じ個体を見かけることも多いです。
 通常は1匹でいますが、4月から6月頃に子どもを産むと1年ほどは母子で行動します。母カモシカは、子を置いてエサを食べに行くことがあります。

 カモシカは、基本的には穏やかで人に危害を与えることは滅多にありませんが、おいつめられると向かってくることもあります。

大人のカモシカの写真
庭先に現れたカモシカ(成獣)

カモシカを見かけたら

 生きているカモシカを見かけたら、以下の3点に注意してください。

  1. 近づかない
    パニックを起こしたカモシカが突進したり、角で突かれて怪我をする可能性があります。
  2. おどろかせない
    びっくりしたカモシカが思いもよらない行動をとることがあります。
  3. 逃げ道をふさがない
    カモシカは自分のナワバリに戻る習性があります。山へ帰る道が分かれば自分で帰ります。

 特に子どものカモシカが1匹でいる場合、親とはぐれたと思い保護したくなりますが、絶対に連れ帰ったりしないでください。1匹でいるように見えても、母カモシカが付近におり、人を警戒して出てこないことがあります。人の手が触れた子カモシカを自然に返すことは難しいため、明らかに怪我をしている場合などを除き静かに見守るかその場から立ち去ってください。

対応方法の一覧
カモシカの状態 周囲の状況 対応
元気なカモシカ 住宅地
  • 静かに見守ってください。
  • 保護や捕獲は基本的には行いません。自力で山へ戻ることができない場合は検討するので、文化財課へ連絡をお願いします。
畑など農作物がある所
  • カモシカが畑などに居着き農作物に被害が出るようであれば、状況(可能でしたら写真を撮ってください)を確認の上、文化財課へ連絡をお願いします。
山間部、河川敷など人が少ない所
  • 自然に山へ帰るよう見守るか、カモシカを置いてその場から立ち去ってください。
  • カモシカを刺激したり、騒ぎ立てないようにしてください。
ダム、ため池、用水路などに落ち動くことができない場合
  • 人が近づくとカモシカがパニックを起こし、より困難な状況になる場合があります。付近の人を遠ざけ、文化財課へ連絡をお願いします。
  • 人の安全が確保できない場所では、確認のためであってもむやみに近づかないでください。
怪我や病気が疑われるカモシカ
  • 触らずに速やかに文化財課へ連絡をお願いします。
  • 勝手に動物病院に連れて行かないでください。
  • うずくまって動かないカモシカは、衰弱しているのではなく、食後の反すうを行なっている場合があります。

死んだカモシカ

  • 検死などの手続きがあるため、むやみに動かさず速やかに文化財課へ連絡をお願いします。

 

このページに関するお問い合わせ

教育委員会事務局 文化財課
電話:0577-35-3156 ファクス:0577-35-3172
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。