高山市内で開発事業(土地の造成、店舗の出店など)を計画されている方へ

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ページ番号 T1021476  更新日  令和7年1月9日

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はじめに

 「わたくしたちは乗鞍(のりくら)のふもと、山(やま)も水(みず)もうつくしい飛騨高山(ひだたかやま)の市民です。」
これは昭和41年に制定された高山市民憲章の冒頭部分です。このように高山市民は高山をとりまく自然環境を大切な財産や市民のアイデンティティとして大切にしてきました。このページでは、これから高山市において事業を営もうとされる皆さまとともにより良い高山を後世に残してゆくため、そしてこれからも世界中から愛される持続可能な観光地であり続けるために、高山市としてお伝えしたいことをまとめています。どうか、景観保全に対する市民の思い、高山市行政としての取り組みをご理解の上、事業をご計画いただくことをお願いいたします。

1.高山市の景観

 高山市は岐阜県北部の飛騨地方の中央に位置し、東は槍ヶ岳、穂高連峰、乗鞍岳などの飛騨山脈、西は白山連峰など、「日本の屋根」とも言われる3,000メートル級の山々に囲まれたまちです。厳しい自然環境と変化に富んだ四季が多彩な自然景観を生み出し、伝統的な市民のなりわいや、豊かな歴史遺産が魅力となって世界中から多くの観光客が訪れています。
 平成17年2月1日に近隣9町村と合併し、面積は約2,177k平方メートル、東西約81km、南北約55kmと市町村としては日本一の面積(東京都とほぼ同じ)を有する自治体となっています。広大な市域のおよそ9割が森林で占められており、森林域の一部は国立自然公園にも指定されています。
 高山市街地の東側部分は、かつて領国大名金森氏が高山城築城とともに城下町を整備し、その名残を今に留めています。その一部は商家町として国の重要伝統的建造物群保存地区(伝建地区)に選定され、また豪華絢爛な祭り屋台で有名な高山祭が春と秋に行われるなど、古い歴史と文化を今に伝えています。
 市街地を離れた郊外には、山襞に沿うようにして農山村集落が点在し、日本の原風景を今によく残しています。

2.景観まちづくりの取り組み

 高山の町並み保存は、昭和41年に上三之町町並保存会(後の恵比須台組町並保存会)が、地域住民の手で組織され、市民先行の形ですすめられたことが始まりです。こうした動きを受け、行政では昭和47年に「高山市環境保全基本条例」「高山市市街地景観保存条例」を制定、昭和48年~49年にかけて他の地区でも住民による町並・景観保存会が結成され、これに併せて市街地景観保存区域の指定が行われるなど、市民と市の協働により景観保存の取り組みがなされてきました。
 保存会では住民により、建物の外観や店舗の運営についての自主的な取り決めである申し合わせ事項が設けられ、運用がされることで落ち着いた町並み景観が維持されてきました。その後、昭和54年には文部省(現文部科学省)により、上三之町並びに上二之町の一部区域が文化財保護法に基づく高山市三町伝統的建造物群保存地区として選定されました。平成9年には保存地区が拡大され、平成16年には新たに高山市下二之町大新町伝統的建造物群保存地区が選定されるなど制度面の整備も相まって町並み保存が取り組まれてきました。
 平成14年には、市内全域において飛騨高山にふさわしいまちづくりをすすめるため、秩序ある土地利用や景観の保全を目的とする「高山市潤いのあるまちづくり条例」(現在の「高山市美しい景観と潤いのあるまちづくり条例」)を制定しました。この条例により開発行為や建築物等に対して構想段階からの届出及び住民説明が義務付けられ、必要に応じ市が指導・助言、勧告・公表ができることとなりました。現在も、この条例に基づく住民説明会の開催などを通じて、市民参加によるまちづくりが進められています。

3.「高山市美しい景観と潤いのあるまちづくり条例」の基本理念

 高山市美しい景観と潤いのあるまちづくり条例の第3条において、まちづくりの基本理念として次の3つの項目が掲げられています。

(1)関係者の信頼と理解

 「まちづくりは、市民自らが主体となってこれに参加し、推進するものであることを認識し、市、市民、事業者の信頼と理解のもとに、協働して行わなければならない。」と定められています。まちづくりにおいて、市民の理解を得ることが重要であることを示しています。

(2)公共の福祉の優先

 「土地の利用は、公共の福祉を優先させ、本市を取りまく恵まれた自然環境、先人たちの英知と努力によって引き継がれてきた独特の歴史的資源及び市民の安全で快適な生活環境に配慮して、市域全体の秩序ある発展に寄与するものでなければならない。」と定められています。自分の土地であっても歴史的資源や市民生活への配慮をもって利用することが求められています。

(3)都市景観への寄与

 「景観に影響を与えるあらゆる行為は、市民共有の資産である自然や伝統文化と調和した美しい都市景観の創出に寄与するものでなければならない。」と定められています。自然や伝統文化と調和しない行為は慎む必要があります。

4.事業者の責務

 高山市美しい景観と潤いのあるまちづくり条例第5条において掲げられている事業者に求められる責務は、次のとおりです。
「事業者は、開発事業を行うにあたっては、基本理念にのっとり、美しい景観と潤いのあるまちづくりを推進するため、その内容をまちづくりの方針に適合させるよう努めるとともに、本市が実施するまちづくりに関する施策に協力するよう努めなければならない。」と定められています。また、「事業者は、開発事業が周辺に及ぼす影響に配慮し、自然環境の保全、市民の安全で快適な生活環境の保持及び自然や伝統文化と調和した美しい都市景観の創出に努めなければならない。」とも定められています。別途お示しする「まちづくりの方針」への適合のほか、自然や伝統文化と調和した美しい都市景観の創出に努めていただく必要があります。

5.事業者様にお願いしたいこと

上記の高山市における景観まちづくりの取り組みの歴史や、ルールを踏まえ、事業者の皆さまには次のことをお願いいたします。

(1)法令はもとより、高山市の独自規制である条例に定められた手続きを適切に進めてください。

 一般的な都市計画法や建築基準法のほか、高山市条例や屋外広告物、伝統的建造物群保存地区内でのみ適用されるルール、住民でつくる申し合わせ事項がございます。手続きを怠ることで後々に事業運営の支障となることのないよう、事前に余裕を持って手続きを行ってください。

(2)投資を行う前に、土地にかかる制限や必要となる手続きを十分に確認してください。

 購入後に土地にかかる規制が判明することで、トラブルになるケースが増えています。事前によくご確認いただくほか、不明な点はお早目に担当窓口までお問い合わせください。

(3)可能な限り財産異動にかかる情報のご提供をお願いします。

 開発を前提として土地建物の所有者(管理者)が替わる際には、疑義の有無に関わらず、可能な範囲で市に情報提供いただければ幸いです。市ではその情報を元に、当該土地で必要となる手続きや制限について助言させていただきます。

6.必要な手続きについて

 下記に示す行為を行う場合は必ず定められた手続きを行って頂くようお願いします。詳細はそれぞれの案内ページを参照ください。

高山市内全域において次の⑴または⑵の開発行為を行う場合は、都市計画法第29条に基づく開発許可申請が必要なほか、高山市美しい景観と潤いのあるまちづくり条例第11条から第14条に基づく大規模開発構想の手続きが必要です。(R7.4.1以降は宅地造成及び特定盛土等規制法の手続きも併せて必要になります)

 (1)建築物の建築にかかる土地区画形質の変更で、その面積が都市計画区域内は3,000平方メートル以上(都市計画区域外は10,000平方メートル以上)のもの

 (2)特定工作物の建設にかかる土地区画形質の変更で、第1種特定工作物については、その面積が3,000平方メートル以上(都市計画区域外は10,000平方メートル以上)第2種特定工作物については、その面積が10,000平方メートル以上のもの

都市計画区域内で5,000平方メートル以上、都市計画区域以外の区域で10,000平方メートル以上の土地の取引に係る契約(予約を含む)をした時は、権利取得者(売買の場合は買主)は国土利用計画法に基づく手続きが必要です。

高山市全域において次に掲げる行為を行う場合は、高山市美しい景観と潤いのあるまちづくり条例に基づく届出が必要です。

 (1)500平方メートル以上の土地の区画形質の変更など
 (2)延べ床面積が300平方メートル以上又は高さ10メートル以上の建築物の建築など
 (3)500平方メートル以上の土砂、砂利の採取及び排出
 (4)太陽光発電設備及び風力発電設備の設置(自家用で発電出力10キロワット未満を除く)
 (5)集客施設の建築など
 (6)300平方メートル以上の建築物の色彩変更や模様替え
 (7)高さ10メートル以上の工作物の設置など
 (8)100平方メートル以上の区域におよぶ物品の集積・貯蔵

景観重点区域内において次に掲げる行為を行う場合は、高山市美しい景観と潤いのあるまちづくり条例に基づく届出が必要です。

 (1)建築等でその延べ床面積が10平方メートルを超えるもの
 (2)高さが3メートルを超える建築物の新築、増築、改築
 (3)土地区画形質の変更等でその面積が200平方メートルを超えるもの又は高さが1.5メートルを超える法面を生じるもの
 (4)土砂、砂利の採取及び排出でその面積が200平方メートルを超えるもの
 (5)工作物の設置等(高さが1.5メートルを超える工作物に係るものに限る。)
 (6)建築物の色彩変更等(延べ床面積が20平方メートルを超える建築物に係るものに限る。)
 (7)水面の埋め立て及び干拓でその面積が200平方メートルを超えるもの
 (8)木竹の伐採で次に掲げるもの以外のもの
  ア 建築物の敷地内における5メートル以下の木竹の伐採
  イ 自家の生活の用に充てるために必要な木竹の伐採(単木択伐に限る。)
  ウ 間伐、枝打ち、整枝等木竹の保育のため通常行われる木竹の伐採
  エ 枯損した木竹又は危険な木竹の伐採
  オ 仮植した木竹の伐採
  カ 測量、実地調査又は施設の保守の支障となる木竹の伐採
 (9)屋外における物品の集積及び貯蔵でその面積が100平方メートルを超えるもの又はその高さが1.5メートルを超えるもの
 (10)太陽光発電設備等の設置で、次のいずれかに該当するもの
  ア 土地に設置するもの(自家用で発電出力10キロワット未満のものを除く。)
  イ 建築物及び工作物に設置するもの(自家用で発電出力10キロワット未満のものを含み、市長が定める区域に設置するものに限る。) 

屋外広告物について

高山市全域が景観計画の区域に指定されているため、屋外広告物を設置しようとする場合は、高山市屋外広告物条例に基づく許可申請が必要です。また、全ての屋外広告物は景観計画の定める基準に適合している必要があります。

市街地景観保存区域内における行為について

市街地景観保存区域内において次に掲げる行為を行う場合は、高山市市街地景観保存条例に基づく届出が必要です。

本町2丁目まちづくり協定について

令和4年5月25日、高山本町会商店街振興組合(本町2丁目)と市は、「本町2丁目まちづくり計画」に基づき、本市第1号となるまちづくり協定を締結しました。

まちづくり協定とは、住民等が自ら美しい景観と潤いのあるまちづくりを推進するため、まちづくりに関する計画(まちづくり計画)を策定し、高山市美しい景観と潤いのあるまちづくり条例第8条第1項に基づき、市長と協定を締結することができる制度です。

まちづくり計画では、建築物等の用途や、壁面の位置、高さ、形態または意匠の制限などについて定めています。

これにより、本町2丁目地区でまちづくり協定の内容に関する開発事業を行う場合は、高山市美しい景観と潤いのあるまちづくり条例に基づく届出が必要です。

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このページに関するお問い合わせ

都市政策部 建築住宅課
電話:0577-35-3159 ファクス:0577-35-3168
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