金蔵獅子
- よみ
- きんぞうじし
- 市指定年月日
- 昭和48年8月9日
- 所有者
- 諏訪神社、三枝神社
- 所在地
- 高山市下切町
- 時代
- 江戸時代から
- 構成
- 金蔵1人、おかめ1人、獅子2人、笛4人、太鼓1人、すりがね2人
- 備考
- 例祭日9月第1土曜日
解説
金蔵獅子は飛騨から越中にかけ各地に伝承されているが、国府町のそれは県の無形民俗文化財に指定されて著名である。下切町の金蔵獅子は、江戸時代の中頃国府町金桶から伝授された。
演技者4人、囃子方7人によって演出される勇壮活発な獅子舞で、1舞に約20分を要する。
登場人物
金蔵(サルタヒコノミコト)勇者で野獅子を退治した。
おかめ(サルメノミコト)金蔵に想いを寄せる乙女で、所持している竹のへらの音で獅子をまどわす。獅子はこの音が非常に苦手である。
物語
ある村に野獅子が出没し、田畑を荒らすので百姓が困りはて退治の方法を色々考えるが、どう猛な獅子は何としても退治出来なかった。
そこへ熱気勇敢な金蔵という若者が現れ、その獅子退治に向かわんとする。金蔵に想いを寄せる純情な乙女、おかめが是非手柄をたてさせようと一緒に行きたがるが、金蔵は女の身ではと追いかえそうとする。
金蔵は獅子と闘うがなかなか退治できない。後を追って来たおかめが竹べらを打ち鳴らすと獅子はその音にまどわされ、そのすきに金蔵は無事獅子を討ち取る事が出来た。
その後は農作物は荒されることがなく豊作が続き、村は非常に栄えた。村の人々はこの若い男女の愛の協力によって退治できた事をよろこび、金蔵をサルタヒコノミコト、おかめをサルメノミコトとして祀った。獅子退治の様子を笛、太鼓とすりがねの音に合わせて舞踏化し、例祭で五穀豊穣と家内円満を祈念して奉納する獅子舞とした。
演技のあらまし
獅子が舞っていると、天狗の面をつけた金蔵が剣に見立てた短棒を持って向かって行き、獅子と戦い進路をさえぎる。獅子の衰えるのを見て背中に乗り移るが、獅子は金蔵を振り落とし逆襲しようとする。一方おかめは、すりこぎと竹のしゃもじを打ち鳴らすことで獅子の気をそらし金蔵を助けているが、金蔵が振り落とされるのを見て介抱する。金蔵は女は帰れと振り切るが、おかめは何度か倒れる金蔵を一心に介抱する。そのうち獅子も疲れて休むと、体の回復した金蔵は獅子の頭を短棒で打ち倒し、格闘のすえ退治するものである。
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