ツラッテイベント報告

Xでポスト
フェイスブックでシェア
ラインでシェア

ページ番号 T1017219  更新日  令和6年3月14日

印刷 大きな文字で印刷

令和5年度 ツラッテ活動報告

第3回 楽しい日本酒講座 「地形/地質が関係する?飛騨の酒・食・人」                     3月8日 19:00~21:00

   講師 久々野町坂本酒店 坂本 雄一さん 会場 飛騨高山にぎわい交流館大政(だいまさ) 

 移住者13人、市職員3人が参加しました。講師の坂本さんは地元久々野町「坂本酒店」のご主人。ワイン地質学研究家、理学修士(海洋地質学)、フランスワイン・コンセイエ(フランス食品振興会認定)、ワインライターでもあります。中学生の時に「NHKスペシャル地球大紀行」を見て地質学に興味を持ち、大学・大学院にて海洋地質学を学び、卒業後、海洋地質調査会社で勤務後、実家の酒屋を継ぐために帰郷されました。

1

2

   講演テーマは飛騨の地酒について、“仕込み水/地形/地質”から探るというものです。

   テーブルの上には飛騨の地酒を飲み比べるためのグラスが並んでいます。日本酒と相性のいいチーズも用意していただきました。それぞれの地酒に合うチーズを紹介され、参加者はそれらをつまみながら、お話を伺いながらの贅沢な講演となりました。

3

4

   飛騨地域の南から天領酒造(下呂市萩原)、舩坂酒造と平瀬酒造(飛騨高山)、蒲酒造と渡辺酒造(飛騨古川)では仕込み水の硬度が大きく異なります。これは地質と関係しており、背景には日本列島の地形の特殊性(4つのプレート上で活発に活動し、急峻なため硬度が上がりにくい)があります。その上で飛騨地域の地質と酒蔵の位置、湧水地、水屋の位置と水の硬度を一覧にした地図を見せていただきました。多様な地質と仕込み水の硬度の幅が多様な飛騨の酒を生み出していることが分かりました。

5

   日本酒は伝統的技法で作られていると思われがちですが、明治以降、酵母の発見など醸造科学の進歩がありました。そのような歴史を踏まえて、坂本さんは飛騨地域の酒蔵の仕込み水の硬度についてご自身で調査し、酒蔵の経営者や杜氏のみなさんとの長年の付き合いから、それぞれの酒蔵の工夫や努力、酒に込められた思いを聞き取っています。そして、それらを私たちに伝えることも大切な仕事の一つと考えています。

6

   飲んだ後の「余韻」という言葉がとても印象的でした。飛騨の人々の暮らし(在郷料理=「ざいご料理」、懐石料理など)と好まれるお酒の関係など大変興味深いお話をうかがいました。関東、関西の料理と水の関係、フランス料理と水の関係を地質とともに楽しく、分かりやすくお話されました。料理もお酒も水が基本であることを学びました。

7

  最後は飛騨の地酒の古酒、古酒を使った梅酒をいただきました。参加者の皆さんも大変満足されていました。

 (参加された方の感想)

・昨年も参加しましたが、今回はお酒の種類も多く、資料や説明も詳しくて楽しかったです。

・酒と地質(水の硬度)との関係が目新しく、斬新で大変興味深かった。日本酒の楽しみ方に幅が広がりました。

・ワインやチーズの企画も参加してみたい。

第2回 秋の高山祭・屋台やわい見学 10月8日 8:45~11:00

 講師 屋台保存会理事 寺地亮平さん 講話会場 村半(高山市若者等活動事務所)

 移住者8人が参加しました。「やわい」は飛騨弁で準備の意です。

 本番前の前々日、屋台組(仙人台)の皆さんの「やわい」の様子を見学し、講師の寺地さんからは屋台を保存する仕組みやご苦労とともに、祭りに参加できるすばらしさを教えていただきました。

集合

仙人台へ

寺地さん説明

 屋台蔵見学後、村半に移動して寺地さんからお話をしていただきました。「屋台はな、100回使ったら、必ず修理するんやぞ」と講師の寺地亮平さん(高山屋台保存会)は先人からの教えを話されました。祭りは2日間。つまり、50年経ったら修理の時期がきたことを意味しています。見学した仙人台は享保3年(1718年)に創建されたと伝わる屋台「湯の花」が始まりとされています。江戸、明治、大正、昭和そして令和と修理を経て現在に至ります。仙人台は2021年から高山祭屋台保存技術協同組合の職人により解体修理をされていました。コロナ禍による中止があり、仙人台が祭りに登場するのは4年ぶりになります。

 祭りと屋台の保護継承について江戸時代から現代に至る町の歴史とともに説明していただきました。火災から屋台を守るための知恵として登場した屋台蔵。戦後、農地改革を経て屋台保存の支援は政府の文化財行政が担うこととなり、そのために屋台保存会がいち早く組織され、古い町並とともに保存継承が進みました。屋台蔵の科学的検証では、中は温度、湿度が一定で保存に適していること、重厚な扉が現在でも問題なく開閉することにも説明が及びました。

村半、寺地さん

 仙人台ではお囃子も約70年ぶりに復活させました。その時の経緯や助けになった方々についてもお話しいただきました。本当にできるのかという不安のある中で、屋台蔵から見つかった古い笛、図書館で見つかった「湯の花」の古い譜面、「春の高山祭」で笛を指導する保存会の協力…。多くのご努力によって実現しました。(今回の秋祭りは雨での中断を余儀なくされましたが、このお囃子は無事、披露されました)そして、23ある屋台組の現状についても話されました。それぞれ趣向のある屋台を支える屋台組は10戸前後で構成される組から、30戸を超える組もあり、それぞれの特色があり、祭り当日の行事だけではなく、このようなやわい(準備)の見学や普段の保管されている屋台蔵を巡りも楽しんでほしいと話されました。

 質疑応答では、祭りの担い手不足が話題になりました。屋台に子どもたち(主に小学生)を屋台組だけではなく、地元小学校にも参加可能とすることなど新しい取り組みがされていることや、移住者の皆さんに期待していることも話されました。また、仙人台の謂れ、以前は屋台にあったからくりについて話題が及ぶとそのからくりについて、「昔は仙人が下界の娘に見とれているうちに、天上界から落っこちてしまうというからくりだったそうで…。代官(陣屋)が公序良俗に反するから、だしかん(駄目)っていうので、無くなったらしい」と話され、どっと笑いが起きました。

 それぞれの屋台に対する思い入れは強く、また、数百年にわたってその思いが、継承されていることが分かりました。寺地さんからはこの地域、祭りを大切にする思いが伝わってきました。ありがとうございました。

 講演会の後はツラッテの会員の皆さんが数人残り、近況報告、それぞれの飛騨自慢…。新たに知り合いなった方も交えて、和やかな時間を過ごしました。

集合写真

語らい

 寺地さん、屋台組のみなさん、地域のみなさん、参加者のみなさん、ありがとうございました。

(参加者の感想)

・移住する前から、特に興味を持っていたことの一つでした。寺地さんからの気持ちのこもったお話を聞くことができて、祭りに対する期待が一層強いものになりました。また、実際に屋台蔵での「やわい」を見学できたことも含め、とても貴重な体験になり、感謝しています。

・普段からなかなか見ることのできない祭りの準備の様子と主催者の詳しいお話を聞かせていただき満足しています。現場での準備の様子をもう少し見たかった。

第1回 宇津江四十八滝散策ツアー 6月4日 9:00~12:10 

講師 五色ケ原森の案内人 ネイチャーガイド 塚越 奈津子さん

 昨年度、第3回で計画していましたが、天候不順のため中止となりました。今回は会員10人、市職員4人が参加しました。好天に恵まれ、新緑がまぶしく、すぐそばの「四十八滝山野草花園 花の森」ではクリンソウも満開を迎えています。また、ここはキャンプ場が併設されており、近くには温泉施設(游湯館)もあります。涼と森の豊かさを満喫できる場所です。

集合、簡単な自己紹介

出発しました

 塚越さんからは自然公園内の木々のことだけではなく山野草や山菜について飛騨の暮らしや歴史を交えてお話いただきました。(下は「笹魚」を手に取っての解説)また、いくつもの種類の木々の種(または実)を参加者に手渡して、何の木の種かを森の中で教えていただきました。

笹魚

滝の傍で

 最後は「ねじ栗」の切り株の前で解散となりました。参加された皆さん、お疲れ様でした。

ねじ栗

集合写真

(参加者の感想)写真は花の森のクリンソウ

・お天気も良く、人数的にも、丁度良いし、ガイドさんの説明も分かりやすかったです。高山市の職員さん達も、 一生懸命取り組まれている事が分かり安心しました。

・何回も滝へは行っいてますがガイドさんに教えて頂き、新しい視点で見られ楽しかった。また参加者同士のコ ミュニケーションも取れて大変良かったです。

クリンソウ

令和4年度 ツラッテ 活動報告

   ツラッテはこれまでに5回の行事を企画しました。お世話になったコーディネーターの皆さん、講師の方など、また、参加された皆さん、ありがとうございました。

   座談会形式の第1回、第2回は短い時間でしたが、参加された皆さんのひと言ひと言に思いがありました。また、思いがけない偶然の出会い(同郷、移住先が近所、気になるお店のオーナーなどなど)も生まれました。第3回は「県立自然公園宇津江四十八滝散策ツアー」(滝めぐり・森林浴・自然観察でリフレッシュ)を行う予定でしたが、天候不順のため中止となりました。第4回は「秋の高山祭 屋台やわい見学」、第5回は「楽しい日本酒講座」を行いました。新たな会員も随時募集中です。

  皆さん、今後とも、よろしくお願いします。「そしゃ、また、ツラッテいかんかな」

第1回 座談会形式 4月23日土曜日13:30~15:00 高山市役所地下市民ホール

移住コーディネーター紹介

photo2

photo3

 移住者23人、移住コーディネーター(1枚目写真左、横関さん)、市職員6人が参加しました。約20分ずつ、グループ(出身エリア、年代、趣味や仕事)を入れ替えて3回懇談しました。会員自身の名刺や店舗のフライヤー、SNSのアカウント情報などの交換も行いました。

 20~70代まで幅広い年代の方が参加され、中にはお子さん連れの方も。初めての試みで、事務局も不慣れでしたが、皆さん和気あいあい盛り上がりました。

(参加された方の感想)

・今日はありがとうございました。知り合い、友達、仲間が増やせる機会に感謝です。

・いろんな方と知り合えてよかったです‼

・右も左も分からないので、こういう機会は大変ありがたいです。

・1グループが多くて話す時間が短くなってしまった。

第2回 座談会形式 6月8日水曜日 19:00~20:30 高山市役所3階会議室

photo4

photo5

   移住者14人、移住コーディネーター(秋田さん、寺田さん、五十嵐さん)市職員5人が参加しました。約30分、グループを入れ替えて2回懇談しました。事前に提出をお願いした全員のプロフィール資料を配布し、どこ出身?とか、どこに住んでいる、趣味や好きなお店、休みの過ごし方など、様々な話題で盛り上がりました。

(参加された方の感想)

・様々な年代、様々な職業、様々なご出身地の方たちと交流ができて、とても良い刺激をもらえました。

・全体の自己紹介のあと、グループごとにフリートークができてよかった。あらかじめ名簿がみられるのもよかったです。

・同じ趣味の仲間をみつけることができました。

・移住者の方とまた語り合えて、色々おもしろかったです。フリートーキングもいいですが、話題を決めて、移住者のため、又、移住者が増えるアイディアが出るような会議も面白いかも。

第3回 国府宇津江四十八滝散策ツアー 8月21日日曜日 9:00~12:00 

 (天候不順のため中止。参加予定者、移住者21人、ネイチャーガイド塚越さん)

   前日までに雨の日が多く、8月21日の明け方まで大雨警報が発表されていました。滝の水もかさばり遊歩道も滑りやすいため、参加者の安全を第一に考え残念ながら中止といたしました。なお、宇津江四十八滝は県立自然公園(全国自然100選、岐阜県名水50選)です。山野草などの植物園やキャンプ場が併設され、近くには温泉施設(游湯館)があります。

   家族連れの参加者も多くいらっしゃる予定でした。また、次回のイベントをお楽しみに…

第4回 秋の高山祭・屋台やわい見学 9月25日日曜日7:45~10:00

 講師は屋台保存会理事、寺地亮平さん。村半(高山市若者等活動事務所)が講話会場です。

 移住者8人、移住コーディネーター秋田さん、移住検討者1人、市職員8人が参加しました。

 「やわい」は飛騨弁で準備の意です。

 本番前の屋台組(金鳳台)の皆さんの「やわい」の様子を見学し、講師の寺地さんからは屋台を保存する仕組みやご苦労とともに、祭りに参加できるすばらしさを教えていただきました。屋台蔵は屋台の各部材を当初は各家で保管していましたが、火災による消失などを防ぐために建てられました。この藏のおかげで、火災から守ることはもちろん、保存状態もより万全なものとなりました。寺地さんは多くの先人の苦労を踏まえて、これからの屋台保存、祭りの維持への期待について話されました。

photo6

photo7

photo8

photo9

photo10

  また、それぞれの屋台組が競い合うことで素晴らしい屋台が創られ、維持されてきたこと、自分のところの屋台が一番との祭りへの負けず嫌いが表れている昔からのエピソードが紹介され会場の村半も笑いに包まれました。

  当日は好天にも恵まれ、他の屋台組の様子も偶然見学できました。そして、特別な計らいで改修中の仙人台の屋台蔵の中に入れていただきました。本当に目近に屋台を見ることができました。細工のすごさ、時代を経て維持されていることを強く感じました。

  寺地さん、屋台組のみなさん、地域のみなさん、参加者のみなさん、ありがとうございました。

photo11

第5回 楽しい日本酒講座 「地質が関係あるの?飛騨の酒・食・人」3月2日木曜日 19:00~20:30

 講師 久々野町坂本酒店 坂本 雄一さん 会場 飛騨高山にぎわい交流館大政(だいまさ) 

 移住者12人、移住コーディネーター2人(秋田さん、五十嵐さん)市職員2人が参加しました。講師の坂本さんは地元久々野町「坂本酒店」のご主人。ワイン地質学研究家、理学修士(海洋地質学)、フランスワイン・コンセイエ(フランス食品振興会認定)、ワインライターでもあります。中学生の時に「NHKスペシャル地球大紀行」を見て地質学に興味を持ち、大学・大学院にて海洋地質学を学び、卒業後、海洋地質調査会社で勤務後、実家の酒屋を継ぐために帰郷されました。

 今回は、そんな坂本さんを講師にお招きし、お酒と地質の関係をテーマとした講座を開催しました。多くの酒蔵と地酒がある高山において、地域の文化と伝統にとってかかせない存在であるお酒と、豊かな水脈を生み出す飛騨の地質との関係を学びます。

写真1

写真2

 まず、水の硬度について簡単に説明されました。そして、実際の硬水、軟水を飲んでみます。テーブルの上には飛騨の地酒を飲み比べるためのグラスが並んでいます。坂本さんはご自身で飛騨地域の酒蔵の仕込み水の硬度について調査もしています。

写真3

写真4

 坂本さんはフランスワイン・コンセイエでもあり、日本とフランスの料理についてもお話をいただきました。関東、関西の料理と水の関係、フランス料理と水の関係など、料理もお酒も水が基本であることを学びました。地酒ごとに相性の良いチーズなどもご紹介いただき、参加者はそれらを実際に味わうことで、料理とお酒の相性についても理解を深めることができました。

写真5

photo366

 最後は飛騨の地酒の古酒、古酒を使った梅酒をいただきました。普段何気なく飲んでいるお酒に地質が深く関係していることや、ほかの地域のお酒との比較を通じて高山の地酒の特色を学ぶことができ、参加者の皆さんも大変満足されていました。

 (参加された方の感想)

・飛騨のおいしい酒も知れたし、面白い話を聞きながら勉強できて、来てよかったです。

・お酒と地質という新たな視点を学ぶことができました。

・初めて参加しました。クオリティが高すぎて…大満足です。

・酒学も地学も楽しくわかりやすく説明していただいて、楽しい時間でした。

 

このページに関するお問い合わせ

飛騨高山プロモーション戦略部 ブランド戦略課
電話:0577-35-3001 ファクス:0577-35-3167
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。