高山城跡測量調査

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ページ番号 T1022318  更新日  令和7年10月11日

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高山城の歴史

高山城跡と城下町の推定復元図
高山城跡と城下町

 高山城は、文安年間(1444-1449)に飛騨国守護代多賀徳言によって築かれ、天神山城、多賀天神山城と呼ばれたと言われています。その後永正年間(1504-1521)に飛騨国守護佐々木氏の一族である高山外記が在城したものの、永禄元年(1559)には三木自綱に討たれ、自綱の叔父久綱が入城しました。この頃の高山城(天神山城)は、本丸は今の高山城跡と位置を同じくしますが、そのほかの曲輪は本丸の南側にあったとされます。
 天正13年(1585)に三木氏は金森長近の飛騨攻めにより滅亡し、その後飛騨一国を領した長近が新たな高山城を築きました。天正16年(1588)、または同18年(1590)から築城を開始し、完成までに16年間かかったと伝えられています。標高686メートルの城山山頂に本丸、北側の中腹に二ノ丸、その下に三ノ丸があり、三ノ丸の一部は水堀に囲まれています。金森氏6代の居城でしたが、元禄5年(1692)に出羽上山(現山形県上山市)へ金森氏が転封となると飛騨は幕府の直轄領となり、高山城は加賀藩の前田氏が預かることとなりました。加賀藩は残された城の管理のため半年交代で数百人を派遣せねばならず、その負担の大きさから幕府に城の取り壊し(破却)を申し出ました。元禄8年(1695)4月22日、本丸から取り壊しが始まり、6月15日に作業が終了しました。建物だけでなく石垣も壊されたため、現在の城山公園では一部の石垣が確認できるのみとなっています。
 かつての高山城の姿を伝えるものとしては、高山陣屋の御蔵、素玄寺の本堂、雲龍寺の鐘楼門、東山神明神社の絵馬殿などがあげられます。これらの建物は、高山城から移築されたと伝わっています。また、城の管理をしていた加賀藩が城の絵図や屋形の平面図を記録しており、現在は石川県立図書館に保管されています。

高山城跡の航空レーザ測量を行いました。

 高山城跡はこれまでに、本丸や三ノ丸の堀などで発掘調査が行われてきました。本丸からは礎石建物跡や石垣、三ノ丸の堀からは建築材などの木製品が見つかり、かつての高山城が偲ばれる発見がありました。しかし部分的な調査であったため、高山城跡の全体的な構造を把握するには至りませんでした。こうした状況を踏まえ、将来にわたる歴史文化の保存、継承と地域資源としての活用を図るため、高山城跡の調査を実施することとしました。令和6年度は、城跡全体の測量調査を行いました。航空レーザ測量によって、山中にある曲輪の形状や竪堀などの遺構の位置が判明し、詳細な等高線図を作成しました。
 今後は、今回作成した図を基に調査を進めていく予定です。

図1
高山城跡微地形表現図
図2
高山城跡等高線図
図3
高山城跡本丸付近微地形表現図
図4
高山城跡本丸付近等高線図

航空レーザ測量とは

 航空レーザ測量とは、飛行機などから地表へ向けてレーザを照射し、その際の位置や傾き、速度、建物や樹木など地表の状況を総合して正確な標高データを得ることができる測量方法です。航空機を用いることで効率よく広い範囲の測量ができ、人が立ち入ることが難しい険しい場所の地形情報を取得できます。
 航空レーザ測量で得られたデータから作成できる図が、微地形表現図です。図面から立体感が得られ、直感的に地形を読み取れる点が特徴です。これまでの等高線図よりも詳細な地形を把握でき、平坦面や斜面の読み取りが容易なため、現地で調査する際の計画を効率化することができます。測量企業によってそれぞれ特徴をもった微地形表現図が作られており、松倉城跡で作成した赤色立体地図や森林管理に使われるCS立体図は微地形表現図の一種です。航空レーザ測量による微地形表現図は、高山城跡のような城跡や古墳などの調査のほか、地すべりや浸水の予測といった防災分野でも活用されています。

高山城跡竪堀の測量

高山城跡竪堀の平面図
高山城跡竪堀平面図

 平成23年度に、中段屋形跡の北側にある竪堀の測量調査を行いました。竪堀とは、斜面を登ってくる敵の移動を妨げるために掘られた溝のことです。この竪堀は中段屋形跡から二ノ丸へ向かって直線的に掘られており、長さ約45メートル、幅約3メートルあります。

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