誰にもやさしいまちづくり推進指針 第2章 施策の方向 (テキスト)

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ページ番号 T1004606  更新日  令和6年3月22日

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第2章 施策の方向

1.目標

「高山市誰にもやさしいまちづくり条例」では、「誰もが安心して心ゆたかに過ごせるようお互いを理解し、尊重し、支えあう心を育てること」と「誰もが安全に快適に過ごせるよう利用しやすい施設や生活環境を整備すること」を基本理念として、住む人、訪れる人、誰もが個人として尊重され、自らの意思で自由に行動し、等しく社会活動に参加する機会を有し、相互に支えあい、様々なふれあいや交流のなかで、安全に安心して快適に心ゆたかに過ごすことのできるまちの実現を図ることを目的としています。
高山市第七次総合計画に掲げる『やさしさと活力にあふれるまち「飛騨高山」』という都市像を念頭におき、条例の目的を基本に、次の3つを誰にもやさしいまちの実現に向けた目標とします。

  • 個人として尊重され、個性が大切にされるまち
  • 自由に行動し、社会参加できるまち
  • 相互に支えあい、心ゆたかに過ごすことができるまち

見直しの方向性

国は、平成28年4月に「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律以下、「障害者差別解消法」という。」)を施行し、令和3年4月にはユニバーサルデザイン化・心のバリアフリーを推進するため、「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の推進に関する法律の一部を改正する法律」を施行し、ユニバーサルデザインの考え方に基づくまちづくりやソフト対策などをより一層強化しています。
高山市においては、「高山市誰にもやさしいまちづくり条例」を制定するなど、バリアフリーのまちづくりを率先してすすめ、他自治体よりも厳しい基準の設定や、道路のバリアフリー化などに官民一体となって取り組んだ結果、特に施設整備の側面(ハード面)における機能向上は高いレベルで整備がすすめられています。
一方、日本一広大な市域に広がる豊かな自然、歴史・文化、伝統、匠の技などの地域資源が多数あり、先人から受け継いできたこれらの資源を守る取組みとバリアフリー化の取組みとを共存してすすめる必要があります。
また、全国的にも早くから外国人観光客の受入れの取組みを官民一体となってすすめ、国レベルでの観光誘客促進策もあり、国際観光都市として多くの外国人を受け入れるようになりました。今後更なる外国人観光客の来訪や、外国人の移住定住は一層すすむことが想定されます。
昨今の新型コロナウイルス感染症など社会情勢の急激な変化への対応が求められることに加え、求められるニーズが多様化し続けるなか、規制強化などの一律の対応ではなく、人的サポートなどによる自由度・柔軟性をもった対応を充実・強化していくことが重要です。
加えて、市民が自信と誇りを持って、社会の一員としての役割を果たし、一人ひとりの行動が、国際社会全体で取り組む持続可能な開発目標SDGs(エス・ディー・ジーズ)への貢献につながるよう取り組む必要があります。
そうしたことを踏まえ、以下の視点などを重視した見直しを進めることとしました。

見直しの視点
ひと・もの・しくみなど すべてがやさしいまちづくり

重視すべきポイント
(1)多様な個性・特性への理解と技術活用

  • 市民理解の促進に向けた学習機会などの充実
  • デジタルなど先端技術の活用(ニーズの把握と省力化、多様な選択肢の準備など)

(2)持続可能なバリアフリーのまちづくり

  • 多様なニーズを受け止めることができる柔軟性や対応力強化
  • 地域の魅力・資源と使いやすさの融合

持続可能な開発目標 SDGs(エス・ディー・ジー・ズ)
SDGsは、国連サミットで採択された、2030年を期限とする17の持続可能な開発目標です。注:図省略

2.やさしさを育む

(1)視点

誰にもやさしいまちづくりを実現するためには、まず「心のバリアフリー」をすすめることが必要です。そのためには、次の5つのポイントを理解することが求められます。

  • 多様性の理解                                                                        人は、それぞれに年齢、性別、障がいの有無、国籍などが異なります。性別には単に男女に限らない多様な考え方が、障がいには肢体、視覚、聴覚などの身体のほか精神、発達などの違いが、出身の国や地域などによって文化や価値観の違いなどがあります。また、妊娠や認知症、難病、疾病、怪我といった状況の変化もあります。個人の性格や好み、考え方など、多様な個性や特性があることを理解し、それらをお互いに尊重しあうという視点です。
  • 歩み寄りの気持ち                                                                     個性や状況、文化、慣習などが異なることにより、相手の意図や行動が理解できなかったり、仕組みが自分にとっては不都合であると感じる場合がありますが、十分に対話し、お互いのニーズを理解し、歩み寄るという視点です。
  • みんなのため、自分のため                                                               誰もが高齢になると身体の機能が低下します。また、病気や事故などによって、障がいを抱えることになるかもしれません。ユニバーサルデザインの考え方による取組みは、他人ごとではなく、自分自身の問題であるという認識を持つという視点です。
  • 人的サポート                                                                            誰もが自由に行動し、平等に社会参加の機会を得るためには、環境整備に取り組むことが大切ですが、環境整備が困難な場合もあります。多様なニーズに応えることができない部分や環境整備が困難な部分には人々の「こころ」や「行動」などによる対応や切れ目のないサポートが必要という視点です。
  • マナーの向上                                                                               ユニバーサルデザインに配慮して整備した施設や歩道が利用しやすいよう、多目的トイレを長時間使用しない、通行の妨げとなる路上駐車や駐輪をしない、通行の邪魔になる位置に看板を配置しないなど、マナーの向上が必要という視点です。

5つの視点とユニバーサルデザインの7原則の関係
注:図省略

(注)ユニバーサルデザインの7原則

  1. 誰にでも公平に利用できること
  2. 使う上で自由度や柔軟性が高いこと
  3. 使い方が簡単ですぐわかること
  4. 必要な情報がすぐに理解できること
  5. うっかりミスや危険につながらないデザインであること
  6. 無理な姿勢をとることなく、少ない力でも楽に使用できること
  7. アクセスしやすいスペースと大きさを確保すること

(注)ユニバーサルデザインの7原則
できるだけ多くの人達の要求に対応できるような特徴を、よりうまく組み込んで理想的なデザインを目指すにあたっての指針となるもので、環境、製品、コミュニケーションなども含めて、デザインがかかわる幅広い分野での、基本的な考え方、方向付けを簡潔にわかりやすく7つの項目にまとめたものです。

(2)普及啓発

現状と課題

  • ユニバーサルデザインの考え方が十分に理解されておらず、ユニバーサルデザインの普及に対する継続的な取組みが必要です。
  • 多様な個性や特性を理解する機会が必要です。

施策の方向

ユニバーサルデザイン、多様な個性や特性への理解を深めるために、様々な媒体や機会をとおして普及啓発に取り組みます。

視点

多様性の理解

  • 年齢、性別、障がいの有無、国籍などに関わらず多様な個性や特性を尊重しあえる市民の意識の醸成のため、様々な方とふれあう機会の創出が必要です。

歩み寄りの気持ち

  • 多様な個性や特性について理解するためには、誰もが当事者意識を持って取り組むことが必要です。

みんなのため、自分のため

  • 相手の意図や行動、ニーズを理解するために年代に応じた教育活動、教えることができる人材の育成などにより、知る機会を増やす取組みが必要です。

具体的な取組例

  • 広報やホームページ、メール配信やSNSなどの伝達手段を利用して、誰にもやさしいまちづくりの考え方や取組事例の紹介、意見の募集などを行い、意識の醸成や対話を推進
  • 市民や事業者向けにわかりやすいパンフレットを作成・配布し、意識の醸成を推進
  • ユニバーサルデザインに関するシンポジウム、研究大会などを通じた多様性を理解する社会意識の醸成を推進
  • 施策への取組みにあたり、ユニバーサルデザインの視点を取り入れるよう職員研修などを通じた意識改革を推進
  • 学習資料の刷新、効果的な配布方法の検討などをすすめ、幼少期からの意識の醸成、学校教育における学習機会の確保を推進
  • 支えることができる人材や指導者の育成
  • 家庭教育学級や地域住民に対する講座などの実施
  • 障がい者や外国人などから話を聞くなど、交流やふれあいの機会を充実し、相互理解の深化を推進
  • 多文化共生に向けた様々な文化にふれる機会の充実

市民

  • 提供される情報の収集や、交流やふれあいの機会に積極的に参加し、ユニバーサルデザインの考え方及び多様な個性や特性の理解に努める

事業者

  • 提供される情報の収集や、交流やふれあいの機会に積極的に参加し、ユニバーサルデザインの考え方及び多様な個性や特性の理解に努める
  • ユニバーサルデザイン、多様な個性や特性への理解の促進に向けた従業員研修の実施

(3)社会参加の推進

現状と課題

  • 平成28年4月1日に「障害者差別解消法」が施行され、それぞれの個性や特性を認め合いながら共生する社会づくりが求められています。
  • 日常生活や社会生活における障がい者などの活動を制限し、社会への参加を制約している社会的障壁を取り除くことが重要です。

施策の方向

誰もが自由に行動し、平等に社会活動に参加できる環境整備に取り組みます。また、多様なニーズに応えることができない部分や環境整備が困難な部分には「こころ」や「行動」などの人的な対応や切れ目のないサポートができるよう取り組みます。

視点

多様性の理解                                                                     

  • 多様な個性や特性について相互理解を深め、取組みの裾野が広がることにより、誰もが社会に参加できる環境づくりが必要です。
  • 一時的な支援ではなく、途切れのない継続的なサポート体制の整備が必要です。

人的サポート・マナーの向上

  • 環境整備が困難な施設や不十分な部分、個人の特性に応じた対応などは、人的な対応や器具などの技術で補うなど柔軟なサポートが必要です。
  • 施設や設備などを利用する方への周知を行い、理解を求めることが必要です。
  • いつ発生するかわからない災害などのため、日頃から近隣の状況を把握するなど迅速な対応ができる「しくみ」づくりが必要です。

具体的な取組例

  • 特に子どもや若者が自分の好きなことに打ち込んだり、自由に活動できる居場所づくりの推進
  • 実際の行動に移すことができる環境整備に向け、簡単な手助けができる人材の育成の推進
  • 住まいの確保や社会参加の支援など、地域で自立した生活を送るための支援の充実
  • 高齢者などが、地域に身近な場所で情報通信機器やサービスの利用方法などを学習・相談できる機会の創出
  • 多様なツールを準備することにより、個性や特性に応じたツールを利用可能とするための選択肢の拡充
  • 回覧板の電子化、災害時の安否情報など、地域コミュニティにおけるデジタル技術の利活用の促進に向けた検討
  • 災害時における福祉避難所の指定や避難行動要支援者の支援強化
  • 災害時の助け合いに向けた市民の意識醸成のための研修会や講座などの開催

市民

  • 地域活動やボランティア活動への積極的な参加

事業者

  • 地域活動やボランティア活動への積極的な参加

3.やさしさを生かす

(1)視点

誰もが利用しやすい環境を整備するため、4つの視点をもって取組みをすすめます。
この4つの視点は、ユニバーサルデザインの7原則に基づいて設定しています。

  1. 「簡単」
    操作が分かりやすい、必要な情報が分かりやすいなど、知識、経験、能力などにかかわらず、簡単にわかる、簡単にできるという視点です。
  2. 「安全」
    間違った操作をしたり、意図しない行動をとっても事故につながらないなど、年齢、個性などにかかわらず、危険や予想外の結果となることを防止するとともに災害などの緊急事態を想定した対策を図るという視点です。
  3. 「快適」
    操作機器が使用しやすい位置にある、通行に十分な空間があるなど、体格、性別、身体的機能などにかかわらず、身体的負担や無理な姿勢をとることなく、また、特別視されたり、心理的抵抗や依存心を生むことなく楽に利用できるという視点です。
  4. 「自由」
    ニーズは個性だけでなく、体調、天候、周囲の状況などによっても異なり、また、生涯の各段階に応じて変化するため、誰もが「やさしさ」を感じることができるよう、個性や好みなどに自由に合わせ、自由に選べるなどできる限り多くの人と状況に対応しようという視点です。

4つの視点とユニバーサルデザインの7原則の関係
注:図省略

(注)ユニバーサルデザインの7原則

  1. 誰にでも公平に利用できること
  2. 使う上で自由度や柔軟性が高いこと
  3. 使い方が簡単ですぐわかること
  4. 必要な情報がすぐに理解できること
  5. うっかりミスや危険につながらないデザインであること
  6. 無理な姿勢をとることなく、少ない力でも楽に使用できること
  7. アクセスしやすいスペースと大きさを確保すること

(2)施設にやさしさを生かす

1.公共的施設(官公庁施設、民間施設)

現状と課題

  • 「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」や「高山市誰にもやさしいまちづくり条例」、「岐阜県福祉のまちづくり条例」に基づき、誰もが利用しやすい施設の整備が求められています。
  • 既存施設の改修(バリアフリー化)への取組みが必要です。

施策の方向

新設、既存に関わらず、誰もが利用しやすいよう、ユニバーサルデザインに配慮した「やさしさ」のある公共的施設の整備及び維持に取り組みます。

視点

簡単

  • 利用しようとする場所に容易に到達できる
  • 施設内の配置が分かりやすく表示されている
  • トイレやエレベーターなどのサインがあり、どこにあるか分かりやすい
  • 操作が必要な設備は簡単な操作で使用できる

安全

  • 看板などの突起物にぶつかる、段差がわかりにくくつまずく、物が落ちるなど、予測しない事態が生じない
  • 手すりや滑り止め、動作を補助する設備などにより、危険を未然に防止する
  • 間違った操作をしても危険につながらない
  • 人体や環境に悪影響を与えるものを使用しない
  • 災害時の避難など非常時を想定した対策がとられている
  • 災害や危機管理の拠点としての機能を想定した、避難場所、備蓄品の確保などの対策がとられている
  • 適度な明るさが確保されている
  • 積雪、凍結などによる危険がないよう対策がとられている

快適

  • エレベーターのボタンなど操作が必要なものが、無理な姿勢をとることなく楽に使用できる位置にある
  • 部屋の出入、廊下等の通行などの動作がしやすいスペースが確保されている
  • 見た人が奇異に感じたり、利用者が差別感を感じたりしないデザインとなっている
  • ベンチや休憩場所など気軽に利用できるスペースが設けられている
  • 施設の色調や高さ、植栽等景観や周辺環境に配慮して整備されている
  • 個人の特性、慣習などにより必要とする空間の提供に柔軟に対応している
  • 多目的トイレや車椅子用駐車施設が適正に利用されている

自由

  • トイレや洗面台、椅子、机など複数設置することができるものは、高さを変える、配置を変えるなど、できる限り多くの人と状況に対応している
  • 歴史的価値のある建築物保存や町並みなどの景観の保全とバリアフリー化対策が共存している
  • 乳幼児のための授乳や性的マイノリティの着替え、宗教儀礼など多目的に利用できる空間が整備されている

具体的な取組例

  • 庁舎、学校など市有施設の「高山市誰にもやさしいまちづくり条例」に基づく整備及び改善
  • 病院、店舗、ホテル・旅館など民間施設の「高山市誰にもやさしいまちづくり条例」に基づく整備促進
  • 点字ブロックや線状ブロックの色彩などは、弱視の方でもブロック部分が容易に識別しやすい色彩(黄色や周辺との輝度比2.0以上)を推奨
  • 長時間滞在することが想定される大規模な施設には、ベッドその他の障がい者などが衣類などの交換ができる設備(ユニバーサルシートや多目的室など)を設け、出入口に表示を行うことを推奨
  • 施設の規模が小さいなどの理由で「高山市誰にもやさしいまちづくり条例」による適合義務のない施設のユニバーサルデザインに配慮した整備促進
  • 「高山市誰にもやさしいまちづくり条例」による施設整備基準に関する解説書の作成
  • 既存の民間施設の改修に対する助成
  • 地域の集会施設など公共的要素が高い施設におけるバリアフリー改修や防災機能面の向上への助成制度の確立
  • 「高山市美しい景観と潤いのあるまちづくり条例」に基づく色調や植栽など景観に配慮した市有施設の整備及び民間施設の指導
  • 障がい者などによる市内の移動や施設などのモニターツアーの開催
  • 公共施設整備担当者や事業者向け学習会の開催
  • 適用除外事例の明示

市民

  • 施設整備に対する具体的な提案

事業者

  • 病院、店舗、ホテル・旅館などの「高山市誰にもやさしいまちづくり条例」に基づく整備
  • ユニバーサルデザインに配慮した施設の整備
  • 「高山市美しい景観と潤いのあるまちづくり条例」に基づく色調や植栽など景観に配慮した施設の整備

2.公共的空間(公園、公衆トイレなど)

現状と課題

  • 誰もがやすらぐことのできる公園及び憩いの場の創出が必要です。
  • 公衆トイレは車いす使用者用の他、オストメイト対応やユニバーサルシートの設置など、多くの人が利用しやすい施設の整備をすすめています。
  • 公衆トイレの約75ヵ所が車いす対応型又は多目的型です。

施策の方向

新設、既存に関わらず、誰もが利用しやすいよう、ユニバーサルデザインに配慮し、「やさしさ」のある公園・公衆トイレなどの公共的空間の整備及び維持に取り組みます。

視点

簡単

  • 施設内の配置や使用目的が分かりやすく表示されている
  • ドアの開け閉め、水洗など操作が必要な設備は簡単な操作で使用できる
  • トイレなどのサインがあり、どこにあるか分かりやすい

安全

  • 看板などの突起物にぶつかる、段差などがわかりにくくつまずく、物が落ちるなど、予測しない事態が生じない
  • 手すりや滑り止め、動作を補助する設備などにより、危険を未然に防止する
  • 間違った操作をしても危険につながらない
  • 人体や環境に悪影響を与えるものを使用しない
  • 災害時の避難など非常時を想定した対策がとられている
  • 災害や危機管理の拠点としての機能を想定した、避難場所、備蓄品の確保などの対策がとられている
  • 適度な明るさの確保や施設内外の見通しに配慮し、防犯対策がとられている
  • 歩行者、自転車、自動車の動線は交錯しないよう配慮し、交通事故防止対策がとられている
  • 通路は通行しやすく、雨などで濡れてもすべりにくい対策がとられている
  • 積雪、凍結など冬期における危険がないよう対策がとられている

快適

  • ドアの開け閉め、水洗など、操作が必要なものが、楽に使用できる位置にある
  • 施設への出入、園内の通行などの動作がしやすいスペースが確保されている
  • 見た人が奇異に感じたり、利用者が差別感を感じたりしないデザインとなっている
  • ベンチや休憩場所など気軽に利用できるスペースが設けられている
  • 施設や設備などが清潔に保たれており、気持ちよく利用できる
  • 空間全体が景観や周辺環境に配慮して整備されている

自由

  • ベンチや水飲み器など複数設置することができるものは、高さを変える、配置を変えるなど、できる限り多くの人と状況に対応している
  • 公衆トイレには、床置式便器やベビーチェア・ベビーシート、おむつ交換設備のほか、着替えのできる台、大人のおむつ交換ができるユニバーサルシート、荷物置き場を設置するなど、スペースや施設の規模に応じてできる限り多くの人と状況に対応している

具体的な取組例

  • 誰もが利用しやすい快適公衆トイレの整備
  • 既存公園、公衆トイレの状況把握と改善
  • 清潔な施設の維持及び管理への協力

市民

  • 町内会などで設置する公園のユニバーサルデザインに配慮した整備及び改修
  • 清潔な施設の維持及び管理への協力

事業者

  • 清潔な施設の維持及び管理への協力

3.居住環境(個人住宅、共同住宅及び周辺環境)

現状と課題

  • 所有する住宅や周辺環境を将来にわたって安全かつ快適に生活できるようユニバーサルデザインに配慮して整備及び維持することが必要です。
  • ユニバーサルデザインに配慮した住宅の供給が必要です。

施策の方向

年齢や身体的状況、家族構成の変化などに対応し、誰もが生活しやすいよう、ユニバーサルデザインに配慮した「やさしさ」のある住宅や周辺環境の整備及び維持に取り組みます。

視点

簡単

  • スイッチやつまみなどの操作がしやすい
  • 道路や駐車場から住宅への出入がしやすい

安全

  • つまずく、落ちるなどの危険がないように段差を少なくする
  • 手すりや滑り止めなど、動作を補助する設備により危険を防止する
  • 人体や環境に悪影響を与えるものを使用しない
  • 外部の明るさの確保や防犯器具の取り付けなど、防犯対策がとられている
  • 災害時の避難など非常時を想定した対策がとられている
  • 積雪、凍結などによる危険がないよう対策がとられている

快適

  • スイッチなどが、楽に操作できる位置にある
  • 部屋への出入、廊下などの通行などの動作がしやすいスペースが確保されており、スムーズに移動できる
  • 施設の色調や高さ、植栽等景観や周辺環境に配慮して整備されている

自由

  • 居室、トイレ、浴室、洗面台など日常頻繁に使用する設備が、将来にわたって使用しやすい

具体的な取組例

  • ユニバーサルデザインに配慮した市営住宅の整備
  • 個人住宅の改修に対する支援
  • 木造住宅の耐震診断及び耐震補強工事に対する支援
  • 既存の民間施設の改修に対する支援
  • ユニバーサルデザインに配慮した住宅整備に関する相談

市民

  • 現在及び将来にわたって安全に快適に生活できる住宅の整備及び維持
  • 木造住宅耐震診断、耐震補強工事の実施
  • 除雪、清掃など地域の居住環境向上への取組み

事業者

  • 「高山市誰にもやさしいまちづくり条例」に基づく共同住宅の整備
  • ユニバーサルデザインに配慮した住宅の供給
  • ユニバーサルデザインに配慮した住宅の研究、情報の提供、相談

(3)交通環境にやさしさを生かす

1.交通機関(旅客施設・車両・乗降場、交通体系)

現状と課題

  • JR高山駅舎を除く各駅舎では、段差がある、エレベーターが設置されていないなど、ユニバーサルデザインに配慮した整備が十分ではありません。
  • 「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」により、誰もが使用しやすい車両が導入されていますが、一層の取組みが求められています。

施策の方向

新設、既存に関わらず、誰もが利用しやすいよう、ユニバーサルデザインに配慮した「やさしさ」のある駅舎及び周辺地域の整備、維持及び周知に取り組みます。
誰もが利用しやすいよう、ユニバーサルデザインに配慮した「やさしさ」のある車両や乗降場の整備、維持及び周知に取り組みます。
誰もが移動しやすいよう、公共交通機関を利用した交通体系の構築、維持及び周知に取り組みます。

視点

簡単

  • 乗降場までの経路が分かりやすい
  • 運賃や運行経路、運行時刻が分かりやすい
  • 乗降方法や運賃支払い方法、切符の購入方法、操作方法などが分かりやすい
  • トイレやエレベーターなどのサインがあり、どこにあるか分かりやすい

安全

  • 運行中や乗降時に危険が生じないような対策がとられている
  • 手すりや滑り止めなど、行動を補助する設備により危険を防止する
  • 間違った操作をしても危険につながらない
  • 人体や環境に悪影響を与えるものを使用しない
  • 災害などの非常時を想定した対策がとられている
  • 積雪、凍結などによる危険がないよう対策がとられている

快適

  • 改札の通過、通路などの通行などの動作がしやすいスペースが確保されている
  • 車両への乗降が、無理な姿勢をとることなく楽に行える
  • ベンチや休憩場所など気軽に利用できるスペースが設けられている
  • 主要な旅客施設では、雨天、降雪時にかさなどを使用せずに乗降、乗り継ぎができる
  • 乗り継ぎに要する時間が長すぎない
  • 景観や周辺環境に配慮して整備されている
  • 荷物の配送やお預かりサービスにより手ぶらで観光ができる
  • 多目的トイレや車両の優先席などが適正に利用されている

自由

  • ベンチや椅子、机、券売機など複数設置することができるものは、高さを変える、配置を変えるなどにより、できる限り多くの人と状況に対応している

具体的な取組例

  • ユニバーサルデザインに配慮した車両の導入促進
  • 公共交通事業者と連携した公共交通の充実
  • MaaS(Mobility as a Serviceの略:出発地から目的地まで、利用者にとっての最適経路を提示するとともに、複数の交通手段やその他のサービスを含め、一括して提供するサービス)など公共交通機関におけるデジタル技術の活用促進

市民

  • 旅客施設や車両の整備に関する具体的な提案

事業者

  • ユニバーサルデザインに配慮した旅客施設や車両の整備
  • 市と連携した公共交通の充実

2.移動経路(道路・交差点)

現状と課題

  • JR高山駅を中心とする1km圏内を主な範囲として、道路段差の解消、側溝の改修、歩車共存型道路の整備に計画的に取り組んでいます。
  • 車道と歩道の段差など、障がいが異なることによって、望まれる整備に違いがあります。
  • 広大な市域の道路や冬期(積雪寒冷期)など当市の環境にあったバリアフリー化をどのようにすすめるのか検討する必要があります。

施策の方向

新設・既存に関わらず、誰もが通行しやすいよう、ユニバーサルデザインに配慮した「やさしさ」のある道路の整備及び維持に取り組みます。

視点

簡単

  • サインなどがあり目的地への経路がわかりやすい操作が必要な設備は簡単な操作で使用できる
  • 操作が必要な設備は簡単な操作で使用できる

安全

  • 看板などの突起物にぶつかる、段差がわかりにくくつまずく、物が落ちるなど、予測しない事態が生じない
  • 歩行者、自転車、自動車の動線は交錯しないよう配慮し、交通事故防止対策がとられている
  • 人体や環境に悪影響を与えるものを使用しない
  • 災害時の誘導、避難など非常時を想定した対策がとられている
  • 適度な照明が確保されている
  • 工事中であっても、安全な通行に配慮されている
  • 植栽を行うなど、環境への配慮がされている
  • 積雪、凍結などによる危険がないよう対策がとられている
  • 信号機やガードレール、点字ブロックの設置など、交通安全対策がとられている

快適

  • 歩道は連続して平坦であり、無理な姿勢をとることなく楽に通行できる
  • 歩行者も、車利用者も心理的負担がなく通行できる
  • 操作が必要な設備が楽に使用できる位置にある
  • ベンチや休憩場所など気軽に利用できるスペースが設けられている
  • 駐車場混雑状況案内などがあり、目的地の状況が把握できる
  • 渋滞緩和対策がとれており、目的地まで予定の時間内で到達できる
  • 景観や周辺環境に配慮して整備されている

自由

  • 車道と分離した歩道を設置することが困難な場合は、歩車共存型道路を整備するなど、できる限り多くの人と状況に対応している

具体的な取組例

  • 「道路のバリアフリー化整備計画」に基づく、ユニバーサルデザインに配慮した道路の整備推進
  • ユニバーサルデザインに配慮した道路や信号機などの整備促進
  • ユニバーサルデザインに配慮した効果的なピクトグラムの整備推進
  • 積雪寒冷期に誰もが移動しやすい道路の環境づくり
  • 冬期のまち歩きや商店街散策などのため、歩道における回遊性向上に向けた方策の検討(高山駅から伝統的建造物群保存地区等をつなぐ主要な動線における消融雪施設やアーケード・シェルターの整備促進など)

市民

  • 道路や信号機などの整備に関する具体的な提案
  • 地域における道路除排雪の実施

事業者

  • 道路や信号機などの整備に関する研究、具体的な提案

(4)サービス・情報等にやさしさを生かす

1.サービス(行政サービス、民間サービス)

現状と課題

  • わかりやすく親切なサービスの提供への取組みが必要です。
  • 事業者向けの冊子を作成して配布するなど、国際観光都市として、「おもてなしの心」を基本としたサービス提供に取り組んでいます。
  • 多様なニーズを充足するサービスについて常に研究する必要があります。
  • 平成28年4月1日に「障害者差別解消法」が施行され、障がいのある人に対して、正当な理由なく、障がいを理由としてサービスの提供を拒否することなどが禁止されています。
  • インバウンドの拡大や、外国人の移住定住の増加により、これまでのサービスとは異なる外国人からの目線で求められるサービスの検討が必要です。

施策の方向

受け手が求めているサービスを理解し、満足していただけるよう、ユニバーサルデザインに配慮した「やさしさ」のあるサービスの提供に取り組みます。

視点

簡単

  • 必要なサービスがどこでどのように提供されるかわかりやすい
  • サービスを受けるために必要な手続きがわかりやすい

安全

  • サービスが危険につながらないよう、十分な防止対策と情報提供を行う
  • 顧客情報などを保護する対策がとられている

快適

  • サービスが提供されるまでの時間が長すぎたり、たらい回しにされたりしない
  • 清潔な身だしなみで、対応が自然で親切であり、気持ちよくサービスを受けられる

自由

  • 状況や目的に応じて選択できるきめこまかなサービスを用意し、できる限り多くの人と状況に対応している

具体的な取組例

  • 手続きが簡単でわかりやすく、ニーズに柔軟に対応できる行政サービスの提供
  • 職員研修の実施
  • 民間事業者に対する冊子の作成、配布
  • イベント、会議などを開催する際には、円滑な移動に配慮し、可能な限り手話通訳者や要約筆記者を配置
  • 飛騨高山ボランティアガイド、ボランティア通訳などのボランティアの育成
  • 「障害者差別解消法」などを踏まえた事業者向け学習会の開催
  • デジタル技術やビッグデータの活用促進、市民が使い慣れたデバイス・ツール(スマートフォン等)による行政サービスの充実
  • VR(Virtual Realityの略:限りなく実体験に近い体験ができる技術「仮想現実」)・AR(Augmented Realityの略:目の前にある世界を仮想的に拡張する技術「拡張現実」)などデジタル技術を活用した観光ニーズへの対応(歴史文化・文化芸術などの体験機会の提供など)
  • 福祉サービス総合相談支援センターや子ども発達支援センターなどによる児童、高齢者、障がい者、生活困窮者などあらゆる市民の生涯にわたる切れ目のない総合的な相談支援体制の充実
  • 外国人に対する相談機能の強化
  • 災害時、緊急時などにおける外国人観光客の安全確保

市民

  • サービス内容及び提供方法に対する具体的な提案
  • 地域活動やボランティア活動への積極的な参加

事業者

  • デジタル技術やビッグデータの活用などによるサービスの向上
  • 手続きが簡単でわかりやすく、ニーズに柔軟に対応できるサービスの提供
  • イベント、会議などを開催する際には、円滑な移動に配慮し、必要に応じ手話通訳者や要約筆記者を配置
  • 従業員に対する「高山市誰にもやさしいまちづくり条例」への理解の促進のための取組み

2.情報(情報伝達)

現状と課題

  • 市の公式ホームページは音声読み上げ、文字拡大など誰にもわかりやすい基準を定めたJIS規格に合わせて作成し、観光情報については12言語で記載しています。
  • 情報を発信する際は、複数の伝達手段を用いることが大切です。
  • 一方的な情報の取得だけでなく、自らの意見や考え方を相手に伝える情報発信できる取組みが必要です。
  • 災害などの非常時に情報が正確、確実、迅速に受発信できる取組みが必要です。
  • 情報の受発信について、情報通信技術の活用が難しい高齢者や障がい者などと容易に活用できる人との格差が広がっています。
  • 最先端の情報通信技術を活用することにより、日常生活や社会生活での利便性が高まる可能性があります。

施策の方向

受け手が求めている情報が、容易にかつ正確に入手できるよう、また、送り手が届けたい情報が、容易にかつ正確に発信できるよう、ユニバーサルデザインに配慮した「やさしさ」のある情報の伝達に取り組みます。

視点

簡単

  • 情報を伝えるために使用する言葉などが見やすく、平易でわかりやすい
  • 情報を受発信するための方法、機器の操作が簡単でわかりやすい

安全

  • 情報が確実に受発信できるなど災害時を想定した対策がとられている
  • 災害などの非常時の情報は、複数の伝達手段により受発信しやすい対策がとられている
  • 誤った操作をしても情報を保護する対策がとられている

快適

  • 文字と音声を組み合わせるなど、複数の手段で受発信できる
  • 情報の重要度が高いほど複数の伝達手段で公平に受発信できる
  • 場所を限定することなく、情報をリアルタイムに受発信できる

自由

  • 様々な伝達手段を用い、文字(多言語)やイラスト、音声など複数の手段を組み合わせて情報を受発信でき、できる限り多くの人と状況に対応している

具体的な取組例

  • 広報、防災行政情報無線、ホームページ、メール配信やSNSなど、多様な手段を用いた情報発信
  • いつでも、どこでも、誰でも容易に情報を受発信できる手段の確保
  • 正確でわかりやすい情報の確実で迅速な受発信
  • 安全に安心して情報を受発信できる環境の整備
  • 安全に安心して情報を受発信するためのマナーの向上
  • 視聴覚障がい者、観光客、外国人など情報を受発信しにくい人への情報伝達に関する研究
  • 高齢者などが、地域の身近な場所で情報通信機器やサービスの利用方法などを学習・相談できる機会の創出
  • IoTなどを活用した高齢者や子どもの見守り促進
  • ソフト対応やハード整備など、優良事例の収集・公表による市民の施設利用や事業者のバリアフリーの取組みの促進

市民

  • 正確でわかりやすい情報の確実で迅速な受発信
  • 安全に安心して情報を受発信するためのマナーの向上
  • 災害時などの非常時に、視聴覚障がい者、観光客、外国人などの情報を受発信しにくい人への情報伝達を支援

事業者

  • いつでも、どこでも、誰でも容易に情報を受発信できる手段の確保
  • 正確でわかりやすい情報の確実で迅速な受発信
  • 安全に安心して情報を受発信できる環境の整備
  • 安全に安心して情報を受発信するためのマナーの向上

3.製品(製品開発・利用促進)

現状と課題

  • 子どもや車いす利用者が使いやすい位置にボタンがある自動販売機などユニバーサルデザインに配慮した製品が少しずつ増えていますが、一層の開発促進及び利用促進が必要です。

施策の方向

誰もが生活に必要な製品が使用しやすいよう、ユニバーサルデザインに配慮した「やさしさ」のある製品の開発及び普及促進に取り組みます。

視点

簡単

  • 直感的に使用できるなど使用方法がわかりやすい、又は説明書がわかりやすい
  • 使用したいユニバーサルデザイン製品が安価で容易に入手できる
  • 少ない手順で、正確な操作ができる

安全

  • 間違った操作をしないように警告や注意を喚起する
  • 間違った操作をしても怪我をしたり、製品が壊れたりしない

快適

  • 少ない力や動作で操作でき、無理な姿勢をとることなく楽に使用できる
  • 見た人が奇異に感じたり、利用者が差別感を感じたりしないデザインとなっている
  • 耐久性があり、再利用、資源再生ができるなど環境面での対策がとられている

自由

  • 長期にわたって使用できるよう、好みや能力に応じて選択できる様々な操作方法を用意し、できる限り多くの人と状況に対応している

具体的な取組例

  • ユニバーサルデザインに配慮した製品使用の普及促進
  • 県や事業者、他の地方公共団体からの情報収集
  • 市民、事業者への情報提供
  • ICT技術やロボット化、AIなどの活用によるサービス向上や安全性と生産性の向上

市民

  • 製品に対する具体的な提案
  • ユニバーサルデザインに配慮した製品の利用

事業者

  • ユニバーサルデザインに配慮した製品の研究、開発、普及
  • ユニバーサルデザインに配慮した製品の利用
  • ロボットなどの活用による介護・福祉サービスの向上

このページに関するお問い合わせ

総合政策部 総合政策課
電話:0577-35-3131 ファクス:0577-35-3174
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